木彫りの着彩には、色々な種類があります。
今回は、木目や木の質感をそのまま活かす柿渋と鉄媒染を紹介します。
どちらも自然素材を使ったナチュラルな着色方法なので、「木の質感はそのまま、でも全体的に色を暗くしたい」という時にオススメです。
鉄媒染とは
- 草木染めの手法の一つ。木に含まれるタンニンという成分と鉄媒染液が反応して暗色に染める方法です。
- 色 焦茶〜黒 (樹種によって変化し、タンニンを多く含む樹種は、より暗くなります)
- ホームセンターなどで入手可能。お酢と古釘などで自作も可能。
柿渋とは
- 渋柿から抽出し、発酵、熟成された液体。日本では古くから木材、布、紙などの染料や防腐材として用いられてきました。
- 色 赤茶〜焦茶 (樹種や塗り重ねる回数、経年変化により色は変わります)
- ホームセンターなどで入手可能。
色々な木に塗ってカラーサンプルを作ってみました。木によって、色の出方が変わるのが面白いです。
ヒノキで作品を作っていた時、試し塗りしてみました。
鉄媒染の上に柿渋塗ってみると、タンニンに反応して真っ黒になりました。
どちらも、粘度の低い液体なので、「塗る」というより「染める」という方が感覚的に近いと思います。木目の繊維に色が浸透していますのでやっぱり色を変えたいな、、、という時は、更に彫ることになりますので、まずは端材で試し塗りをオススメします。